夜行/森見登美彦

怪談など和風ホラーが好きな人にオススメ

 

 

今回紹介する小説は森見登美彦の「夜行」です。

この作者と言えば京都を舞台としたコメディ作品が特徴的ですが、本作はこの作者にしては珍しくホラー作品となっています。

 

笑いと恐怖は表裏一体でコメディ作品を書くのが上手い人はホラー作品も上手に書けると良く言われますが、この作品でもどこか幻想的な雰囲気の恐怖が味わえます。

 

あらすじとしては、学生時代に同じ英会話スクールに通っていた縁で仲良くなった6人の人物が10年ぶりに京都の鞍馬に集まる所から始まります。

彼らの仲間であった長谷川さんは10年前にこの鞍馬で開かれた火祭りの最中に失踪しています。

6人は旅館で、旅の中で体験した不思議な体験を語っていきます。

その体験の中で全員、岸田道生という画家の夜行という絵と出会っていました。

 

作中に出てくる、とあるホテルに勤める男の描写など不気味でまるで悪夢でも見ているような独特な味がありました。

 

森見登美彦と言えばやはり「夜は短し恋せよ乙女」や「四畳半神話大系」などのコメディ作品が真骨頂ですが、作者の新たな一面が見られるこの「夜行」もオススメなのでぜひ読んでみてください。

 

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