【本】ゲームプランナー集中講座 ゲーム創りはテンポが9割/ 吉沢 秀雄 (著)
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この本は現バンダイナムコスタジオ チーフプロデューサーである吉沢 秀雄さんが
書いた本です。
関わっていたゲームで言うと往年のゲームファンにはおなじみのタイトルである、
「風のクロノア」ではディレクター、「ミスタードリラー」ではプロデューサーとして
活躍されている方です。
この本を読むべき人、
・プロ、アマ問わずゲームクリエイターを志す人
・ゲーム業界以外でも企画職をやっている人
企画に根幹とも言える考え方、アイディアの膨らませ方など、
他の分野の企画職でも応用できます。
・ゲームファンとしてゲーム開発の裏側を知りたい人
あの人気ゲームの開発の裏側などが具体的なエピソードで書かれています。
■ゲームクリエイターとして必要な事全般が書かれている
本書では良いゲームの企画書や仕様書を書くコツから、
ゲームのアイディアの膨らませ方、レベルデザイン(難易度調整)についてなど
ゲームづくりに必要な知識全般について書かれています。
あの大ヒットしたソシャゲの「パズドラ」のシステムが、
ガンホーの社員の奥さんがプロトタイプ版をテストプレイした際の感想から着想を得た
など、一ゲームファンが読んでも面白いエピソードがたくさん載っています。
■吉沢さんのゲームクリエイターとしての信念
本文で繰り返し強調されているのが、
「既存の遊びではなく、新しい遊びを創造しよう」の言葉でした。
これは様々なゲームを生み出してきた吉沢さん自身の信念でもあると思います。
本書では企画書の書き方ついても説明があります。
まず吉沢さんはダメな企画書の典型的な例として下記をあげています。
「ストーリーやキャラの設定を延々と書いて、
肝心のゲームシステム部分はモンスターハンターと同じなど。」
こういった、肝心のゲームシステム部分がおざなりになっている企画書は即落とすとの事です。
余談になりますが私もゲーム業界で働いている人間です。
そして、ゲーム会社の入社選考の際に企画書を提出し正に同じ間違いをしていました。
「流行りのスプラトゥーンっぽいゲームの企画書を書いとけば間違いないだろ」
「シナリオを書ける所を見せてやろう、
設定を細かく書いてゲームシステム部分はあのゲームのパクリで」
といった感じで、ダメ企画書を量産していました。
当然その会社達は書類選考の段階で落とされ、
結局現在は企画書の提出が必要なかったゲーム会社で働いています。
この本に出合ったのはその会社で働き始めてからだったので、
それより前にこの本に出合っていれば、も少し良い企画書が書けたのかもしれません。
こういったゲーム制作のプロの考え方はネット上の情報では体系的に学ぶことが出来ず、
本来であれば実際に業界に入ってゲーム制作の現場で働く、
もしくはちゃんとしたゲーム系の専門学校に通うなど、
限られた方法でしか触れられない貴重な情報です。
それがこの本一冊にまとめられているわけです、ゲームクリエイターを志す人間だけでなく
一ゲームファンにもぜひ読んでほしい本です。