【ゲーム業界】某大手コンシューマーゲーム会社でデバッカ―として働いてみて~その1~

私は過去に某大手コンシューマーゲーム会社でデバッガ―としてアルバイトをしていました。

その時の経験を出来るだけ細かく、これからゲーム業界で

デバッガ―として働こうとしている方や、興味のある方に向けて

少しでも参考になればと思い書いていきます。

一応ゲーム業界で使われる用語などにも軽く触れていきます。

 

ゲームデバッガ―の仕事とは?

ゲームデバッガ―の仕事と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

延々とプレイヤーキャラを壁に当てる、

RPGでいうと全てのモンスターに全ての呪文を使う、などでしょうか。

 

そうです、都市伝説ではなく全てホントにやっています。

プレイヤーキャラを壁に延々と当てるいわゆるコリジョン(※1)チェックは

最初の内はメンタルが崩壊しそうな程ストレスを感じますが、

徐々に慣れてくると最終的には完全に無の境地で出来る様になってきます。

 

デバッガーとして最低限必要なのはまず忍耐力です、

時には興味の無いジャンルのゲームでも数時間ぶっ通しで

1日計8時間プレイしなければならない世界です。

 

デバッグに入るとまずは仕様把握といってゲームのシステムを理解するために

自由にプレイする期間が数日あります。

仕様把握が終わるといよいよデバッグに入ることになり、

フィールド、バトル、イベントなど実装された順に単体チェックを行っていきます。

先ほどのフィールドのコリジョンチェックもここで行われます。

基本的にはリーダーの方が作成したチェックリストに沿って確認していき、

不具合を発見したらチケット(※2)を作成します。

スケジュール的に序盤~中盤では、こうすればさらに操作性が良くなるなど

デバッガー視点での要望も積極的に出していきます。

 

チェックリストはExcelファイルに記載していき、

日々更新されるゲームデータ(ROM)のアップデートも自分でPCで行うので、

最低限のPCスキルは必要です。

 

ゲームが完全に出来上がり単体の項目のチェックが終わる頃には、

スケジュール的にデバッグ終盤でSA期間(※3)と言い

ほぼ全員のデバッガーは通しプレイ(※4)を行います。

 

タイトルによってはそこからDLC(追加コンテンツ)や、

いざ発売されてから市場で不具合が出てしまうと

修正パッチのデバックなどの作業が発生します。

 

ゲーム自体のチェックの他には攻略本の監修、台本の誤字脱字チェック、

特典サントラの音源のチェックなどもQA(デバッガー)でやっていました。

 

※1 コリジョン・・・フィールドやキャラクターなどオブジェの当たり判定の事、

          これが上手く設定されていないと壁抜け等が発生する。

 

※2 チケット・・・バグ(不具合)を発見した際に記載し、

         バグトラックシステムという掲示板で開発と不具合情報を共有する。

         不具合の現象だけでなく、不具合を再現する為の手順、

         発生頻度など詳細も記載する。

 

※3 SA期間・・・デバッグスケジュール的に後半で、Sバグ、Aバグなど

        ゲームが進行不能になる様な重大な不具合を中心に探す期間。

                         一応SAバグ以外の軽度の不具合も開発に報告します、

        QA(デバッガー)では一見軽度のバグの様に見えても

         プログラマーの方で調べてみると重大なバグが潜んでいる

        と言ったことがあるため。

        ここら辺の期間になると開発の方、一部のプランナーやプログラマー

        デバッグに入ります。

 

※4 通しプレイ・・・ゲームを最初から始めてエンディングまで通してプレイします。

           通してプレイして不具合が無いか、単体チェックでも確認している

          引継ぎなどの周回要素も改めて確認します。

          通してプレイすると言っても完全に自由にプレイして

          良いわけではなく大抵は大まかなプレイ方針が指示されます。

 

 

次回はその2として、面接を受けた時にどんな事を聞かれたか、

デバッガーは将来性があるか、などを出来るだけ詳細に書いていきます。        

 

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