某大手コンシューマーゲーム会社でデバッガ―として働いてみて~その2~

前回の記事を読んでいない方はまずはこちらからお読みください。

 

heibongasikou.hatenablog.com

 

前回は仕事内容について書いていきましたが、今回はそれ以外のデバック業界の事を色々書いていきます。

 

未経験者は採用面接ではどんな事を聞かれる?

未経験でデバッガーの採用面接を受けた場合、はたしてどんな事を聞かれるのでしょうか。

まっさきに聞かれるのが、自社のゲームをどれくらいプレイしているのかです。

これは多分どの会社でも質問され、なおかつ最重要視されている要素だと思います。

それは同じ会社のゲームなら、ある程度は似たような要素、システムといった、その会社独自の空気感があります。

同じ会社のゲームを多く触っている人なら、デバックするゲームの仕様もより理解しやすいといった理由からです。

 

その他には下記の様な事を聞かれました。

・弊社で好きなゲームのタイトルとその理由は?

・デバック業務について知っている事を教えてください。

・将来的にどこを目指しているか?

・今までにプレイした一番面白いゲームのタイトルとその理由、

またはどこを改善すれば更に面白くなるか

・今までの職歴について掘り下げて聞かれる。

 

未経験で面接を受けた場合は多分どの会社も似た様な質問をされると思うので、

しっかり回答を準備しておくと良いでしょう。

 

 

未経験でデバッガ―として採用されるのは何歳くらいまでか?

私は一デバッガーとして下っ端で働いていて採用する立場ではなかった為、明確な採用基準は分かりません。

周囲の方から話を聞いた限りでは、ほぼ全員が未経験からデバッガ―として働き始めた年齢が20代の時でした。

私も20代後半の年齢でデバッガ―として働き始めています。

 

ただ中には30代半ばで未経験で入って来た人もいました。

ただその人は前職では証券会社の営業マンとして働いていたなど立派な経歴を持っていました。

 

年齢が若い方が採用されやすいと思いますが、別業界でしっかりとした職歴がある方なら

多少年齢が高めでもチャンスはあります。

 

デバッガ―として出世したいならデバック専門業者にいくのもありかも

デバック専門業者はデジタルハーツ、ポールトゥウィンなどゲーム会社からデバック業務を委託される業者で専門にデバックを行うプロです。

実は私が在籍していた某大手コンシューマーゲーム会社のQAマネージャー(正社員)もデバック専門業者の出身で経験を積んでからゲーム会社のQA部門に転職したそうです。

なのでデバック専門業者でまず経験を積むのも全然ありだと思います。

 

ゲーム業界でデバッカーとして食べていくのは厳しい?

ゲーム業界でデバッガ―として食べていくのはかなり厳しいです。

前にいた会社だと30人いるQAチームで正社員は管理職(マネージャー)である2人だけで、その下にいる28人は全員アルバイトでした。

タイトルリーダーと言う現場のまとめ役のポジションの方でもアルバイト契約でした、

その方は5年以上継続して働いていましたが、それでも正社員はおろか契約社員にさえなれていませんでした。

この事からも、デバッカーとして食べていく厳しさはお分かりいただけると思います。

 

しかも、リーダー職ではない一テスターだとほぼ最低時給に近い金額で働く事になり、

昇格するにも長い下積みと運が必要になります。

 

デバッカーから開発(プランナー)に異動はあるの?

 私が某大手コンシューマーゲーム会社に在籍していたのは一年ほどですが、その間に一人だけQA(デバッカー)チームから開発プランナーチームに一時的にではありますが異動になった人がいました。

ただその方に話を聞いたところプランナーチームに異動してもやる事はほぼ修正確認(バグが修正されているか確認する作業)だけでプランナーらしい仕事はほぼしていないとの事でした。

なので同じ会社でデバッカーからプランナーへの転身はあまり期待できないと思います。

 

 

デバッガ―の残業時間はどれくらい?休日出勤はあるの?

基本的にマネージャーは残業をしなくて良いようにスケジュールを組みます。

だが必ずといって良いほどゲームの開発は遅れ、そしてそのしわ寄せはデバッガ―に来ます。

私のいた所では通常時は全く残業がありませんでしたが、ゲームの完成版であるマスターROM提出の1~2か月くらい前から残業が始まります。

ピーク時は土日両方休日出勤し2週間休みがない事も何度かありましたが、基本的には毎日2時間残業×20日の計40時間程と一般的な残業時間の範疇です。

聞いた話では、まだ残業時間にうるさくなかったひと昔は残業100時間越えが普通にあったそうです。

 

デバッガ―として働く前は何の仕事をしていたの?

ちなみに私は前職ではメーカーの品質管理の仕事をしていました。

他に周りには証券会社の営業マン、業務システムのプログラマー、電化製品の販売員、

カスタマーサポート、ゲームセンタースタッフ、書店販売員、など色んな経歴の方がいました。

 

デバッガーに向いている人は?

デバッガ―で多くバグを見つけれるはどんな人でしょうか。

まずはデバッガーとしてキャリアが長く過去に色んなパターンのバグを見ている方です。

タイトルが違くてもでもゲームジャンルが同じなら、同じようなバグが出る可能性が高いです。

 

私の周りには半年未満とキャリアが浅くてもバグを多く見つける人たちがいました。

その人たちに共通しているのは、ゲームが上手い、記憶力が良い、といった事でした。

 

ゲームが上手い人は仕様を理解してこうしてみたらもっと効率が良いのではと色々試行錯誤出来る人です。

他の人では思いつかない操作、攻略法を試して不具合を見つけています。

 

記憶力が良い人は、ゲームの何気ない部分の細かい変化にも気づける人ですね。

日々ROM(ゲームデータ)更新されていく中で腕の良いデバッカーは驚異的な記憶力を持っていて何でそんな細かい変化に気づけるのって人が多いです。

 

デバッカーはゲーム業界の登竜門

ゲーム業界未経験だが自分の好きなゲームタイトルに関ってみたいという方は、他のポジションに比べて挑戦しやすいデバッカーを目指してみても良いかもしれません。

どうしてもこのゲームタイトルに関わりたいという希望がある場合にはデバック専門業者(デジタルハーツ、ポールトゥウィンなど)ではなくスクエニサイゲームスなど直接ゲーム会社の求人に応募してください。公式サイトなどで良くデバッカーの求人が出ています。

デジタルハーツなどのデバック専門業者だと業者に来た数多の案件の中からたまたま自分の好きなゲームタイトルにアサインされる可能性はかなり低いですが、ゲーム会社直雇用であれば狙っているゲームタイトルにアサインされる可能性がぐっと高くなります。

(大抵複数のゲームタイトルが並行して開発進行しているため絶対ではないですが)

 

前回から続いたゲームデバッガーの記事は以上になります。

またその内気が向いたら何か書いていくかもしれません。

 

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